指しゃぶり、おしゃぶりはどうする?
2018年4月16日 (月)
赤ちゃんにとって指しゃぶりは、離乳食が食べられるためのとても大事なトレーニングです。離乳食がはじまる前から、手や指、おもちゃなど、なんでもお口に持っていき形や感触を養います。おっぱいや哺乳ビン以外のものをお口の中に入れ、離乳食を進めるために必要な練習をしているのです。1歳ころの指しゃぶりはまったく気にすることはありません。心配せずにやらせてあげましょう。
ただし、赤ちゃんの頃には重要だった指しゃぶりが、3歳を過ぎた頃も続いていると、歯が指に押されて出っ歯になったり、前歯のあたりのあごの骨の成長が邪魔され開咬(奥歯を噛んでも前歯が閉じない)になるなどの問題が起きることがあります。
3歳頃までに指しゃぶりをやめられたお子さんを経過観察していると、お口やあごの成長とともに、自然に歯並びが治ってしまうことも少なくありません。ご心配な時は歯科医院に相談しましょう。
また、クセになったものをやめさせるのは大変だと思いますが、決して怒ったり叱ったりせず、親子のスキンシップやおしゃべりの時間を増やし、夢中になって遊べるような機会をふやしましょう。
寝る前に指しゃぶりをするお子さんが多いですが、しゃぶっている方の手をつないだりして防ごうとすると、かえって嫌がることもあります。
「指しゃぶりはやめるように」と周囲から言われ、本人もやめたほうが良いと理解していますが、そう簡単にやめられないのが「クセ」です。無理強いせずやめさせたいものですが、上手な方法がありますのでご紹介します。
実はよく観察してみると、指しゃぶりをしていない方の手は、指をしゃぶっているあいだ、いつも同じことをしています。髪の毛を引っ張っていたり、パジャマのすそをいじっていたり、つねに同じタオルを握っていたりします。その手に違うことをさせるのです。
しゃぶっていない方の手をお母さんが握ってあげたり、ぬいぐるみなどを抱っこさせて寝かせます。やめたいと思っている手ではなく、意識していない方の手をやめさせるのです。一度試してみてはいかがでしょうか?
始終指しゃぶりをしていて程度がはなはだしいお子さんの場合は特別な装置などで治療が必要なこともありますので歯科医院にてご相談ください。
一方、おしゃぶりについてですが、これは赤ちゃんを泣かせないための格好の育児グッズとして使われます。鼻呼吸を促す、出っ歯にならないなどの効能をうたっているものもありますが、こうした効果の裏付けは、現状では確認されていないようです。
おしゃぶりも、クセになるとやめさせるのに苦労をしますので、使ったとしても1日に1時間以下にとどめましょう。おしゃべりが上手になって使用頻度が減ってきた機会などに、「もうすぐお兄ちゃん(お姉ちゃん)だからね」と理由を話して、2歳になる頃にはやめさせたいものです。
カテゴリー: 歯の豆知識