歯ブラシvs歯ブラシ&デンタルフロス
2018年9月27日 (木)
皆さん、日頃、デンタルフロスは使っていますか?
厚生労働省の「平成28年度歯科疾患実態調査」によれば、デンタルフロスや歯間ブラシを使っている男性は30.6%(2868人中)、女性は46.3%(3410人中)。これは歯間ブラシの使用率も含めての数値ですので、デンタルフロスは歯ブラシが届かない場所のプラークを取り除ける、とっても大切なツールなんです。
「わたしはしっかり歯みがきしているから大丈夫!」「面倒くさいからやっていない」「時間がない」という方もいらっしゃるでしょうが、ホントに歯ブラシだけでしっかり汚れは落ちるものなのでしょうか?
上のような実験を行いました。歯の模型に塗った人工のプラーク(歯垢)を、「歯ブラシだけで磨いた場合」と「歯ブラシに加えフロスで磨いた場合」でプラークの落ち具合を比較してみました。その結果、歯ブラシだけでは①歯と歯の間②歯茎の溝の中が十分に磨けていないことがわかりました。この実験でブラッシングしているのは、ベテランの歯科衛生士さんですから、決して磨き方が悪いわけではありません。それでも、歯ブラシだけではこんなにプラークが残ってしまうんですね。
歯間部と歯ぐきの溝の中。それがフロスのターゲット!
フロスが得意な部分は次の2つ。
①歯と歯の間(歯間部)
歯と歯が接している部分は、歯ブラシが届きづらいところ。こうしたブラシが入りにくい場所にも細菌は入り込み、プラーク(細菌のかたまり)となります。歯間部へのプラークの付着は、むし歯や歯周病の原因になります。フロスで歯間部のプラークを取り除きましょう。
②歯ぐきの溝(歯肉溝)のなか
歯ぐきのてっぺんは、歯と隙間なくくっついているわけではありません。健康な歯ぐきでも、実はほんのわずかに隙間の浅い溝(「歯肉溝」といいます)に溜まったプラークも、歯ブラシだけでは十分に取り除けません。この部分のプラークが溜まったままだと、ここからむし歯や歯周病に。歯ぐきの溝のなかにも、フロスを通す必要があるんです。
デンタルフロスのお作法
point!!
フロスは止まるところまでやさしくいれて、歯のカーブに添って上下に動かします。
大切なのは、歯と歯の間や、歯茎の溝の中に隠れたプラークをフロスを使って取り除くこと。
プラークは歯の表面に粘着していますので、こそぎ落とす様にフロスをキュッキュと動かしましょう。
デンタルフロスQ&A
Q、ホルダータイプと糸巻きタイプ、どっちがいいの?
A、使いやすい方で大丈夫です。
Q、ホルダータイプのフロス。Y字とF字、どっちがいい?
A、お好みで大丈夫です。プラークの除去効率でいえば、Y字の方がF字より除去効率は高めです。
F字はその形から、前歯の歯間の清掃はしやすく、奥歯の歯間の清掃はしずらい
傾向があります。
Q、ワックスありとなし、どちらがいいの?
A、通しやすいのはワックスありです。ワックスなしの方がプラークはよく取れますが、
歯と歯の間に通しやすいのは摩擦の少ないワックスありです。
フロスを使う時の疑問
Q、フロスは歯磨きの前と後、どちらがいいの?
A、お好みで大丈夫です。どちらが先でも大丈夫です。
Q、子どもにもフロスは必要ですか?
A、乳歯が生えたらぜひフロスを。初めて「歯と歯の間」ができた頃からフロスをして
あげて欲しいと思います。
Q、歯に詰め物が入っていてフロスが引っかかるのですが…。
A、歯間ブラシを使いましょう。詰め物や被せ物が引っかかって、フロスが難しい場合は歯間ブラシを使いましょう。また、引っ掛かりがある場合は詰め物や被せ物が合っていないこともありますので、歯科で確認しましょう。
Q、フロスが引っかかるようになったけど、なぜでしょうか?
A、もしかしてむし歯かも?フロスが急に引っかかるようになったり、切れたり、バサバサになって出てくる場合、むし歯ができている可能性があります。
Q、インプラントやブリッジにもフロスはすべきですか?
A、どちらもフロスは必須です。インプラントやブリッジを入れている方は、人工歯部分が歯茎と接している面(ブリッジの場合はポンティックの下のすき間)にフロスを通し、プラークをこすり取りましょう。奥歯には、狭いすき間に通しやすい、先がワックスで固まっているスーパーフロスがおすすめです。一方、前歯のインプラントには細く薄いテープ状のフロスをやさしく通します。
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