小学生の理解力・身体能力どこまで発達しているか知ろう
2018年10月29日 (月)
理解できる範囲は小学1年生から6年生それぞれ違う!
小学生を十把ひとからげでとらえてはなりません。小学生が理解できる範囲には限りがありますし、学年によっても理解力は異なります。これを前提に指導を組み立てる必要があります。
また、最近、テレビのコマーシャルでよく使われる「歯垢」や「デンタルプラーク」は、小学生はその言葉を知っていても、意味は理解できていないものです。小学校低学年に「汚いもの」「そのまま放置してはいけないもの」ということを教えるためには、「バイキンマンのうんち」などと表現した方が理解できます(ただし、文部科学省では正しい表現を使うように推奨しています)。
小学5年生になると、保健の学習で「からだのしくみ」や「病気の原因」などの授業が行われます。そこで、初めて「歯垢」や「デンタルプラーク」という言葉を理解できるのではないかと思われます。
集中力はせいぜい10分、理解できる情報は3つまで
指導の経験が少ないと、歯科衛生士はつい自分のもっている知識をすべて伝授しようとしがちですが、たいてい何も伝わらないものです。
小学校の校長先生が朝会などで1~6年の全学年を対象に話をするときには、「子どもたちが注意力をもって聞くことができる10分程度で終わらせる」「伝えたいことは3つに絞る」ことに注意しているそうです。多くのことを話せば話すほど相手は理解できず、覚えていることが少なくなるそうです。これに関しては、大人もほぼ同様だそうです。
観察力、手指の運動機能は学年で異なる
幼稚園児にぬり絵をさせると、たいがい枠からはみ出して色を塗っています。これも発達と関係しますが、枠をはみ出さなくなるのは、小学2年生ぐらいからです。これをブラッシングに置き換えてみましょう。小学2年生ですと、鏡を見ながら磨きたい歯にブラシを当てるのがやっとです。毛先をしっかりと当てる、歯面の豊隆に合わせる、歯頚部に毛先を届かせるなどといったことには、まだまだ無理があるのです。
小学校で理科が始まるのは、ものごとの事象や内容に対し注意をもって観察できるようになる3年生以降です。したがって小学校の中学年以上であれば、意志的に手指を動かせるようになります。歯磨きの際にも毛先を使い分け、歯面に合わせて毛先を当てることができるようになります。けれども、集中力には個人差があります。まして、「自分の健康のため」という概念的なことへの理解は、個人差や性差があると考えておいたほうがよいと思います。性差でいえば、女児には初潮があるため、自分の体を意識する目覚めは男児に比べて早いようです。
その子によって成長の程度は異なる
6歳臼歯萌出から12歳臼歯萌出の順番や萌出時期においては目安があるものの、個人によって異なります。身長に差があるように、歯の交換にも個人差がかなりあります。歯の交換が始まると、磨きにくいところが増えてきます。また、歯並びも個々によって異なり、それぞれの子どもにあわせた指導が必要になります。それに加えて低学年であればあるほど、自分の口腔内の状況を把握できません。
小学生のうちは本人が磨いた後に保護者が仕上げ磨きをしてあげましょう。
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