むし歯予防のためには甘いものはダメなのか!?
2019年10月14日 (月)
むし歯を心配して甘いものを我慢している方もいらっしゃるのではないでしょうか。たしかに甘いものに含まれる糖質は、むし歯菌の栄養源になります。むし歯菌は糖をエサに繁殖し、プラーク(歯垢)をつくり、酸を出して歯を溶かします。
しかし甘いものを食べるとハッピーになり元気も出ませんか?
実は甘いものは、賢く上手に食べればむし歯の心配はいらないんです。ただし「ダラダラ食べ」をしないでくださいね。
理想としては食後のデザートとしてまとめて食べるのがベストです。なぜなら、食後のお口の中は酸性になって歯が溶けやすい環境になるのですが、唾液がしっかり働けば30分くらいで酸が中和される、むし歯になりにくい状態に戻るんです。
ところがしょっちゅう食べているとお口のなかは始終酸性になるのでむし歯ができやすくなってしまうんですよ。だから、食後にまとめて食べるのがおすすめ、というわけです。
ただ、甘いもの好きとしては、おやつもほしいですよね。そういうときは午前・午後に一度ずつ、チョコをつまむくらい平気ですよ。
「なにか口に入れるなら日5回まではよいでしょう。でも7回以上になると、むし歯のリスクが増えますよ」という食事指導は、北欧を中心に研究実績のあるむし歯の予防法なんです。
食後のデザート+午前·午後に1回ずつ。甘いものを食べるならこんな工夫をしましょう。もちろん朝と就寝前にフッ素(フッ化物)配合の歯みがき剤を使い歯みがき。とくに就寝前は念入りに。昼食後も歯みがきができれば、さらにすばらしい。
お子さんの場合も、食べ方を工夫すれば、砂糖を制限せずにむし歯予防ができます。しかし、小さいころに甘い味を覚えさせないようにすることができればそれに越したことはないですね。とは言っても甘いものは人生の喜び。食べ方+仕上げみがき+定期検診で、楽しく上手に予防を続けてくださいね。
そもそも普段の食事にも糖質は多く含まれるのですが、おやつがむし歯になりやすいのはなぜでしょう。
①砂糖を使うものが多い
食事での砂糖の役割は多くの場合、味付けですが、おやつで食べる甘い物の砂糖は主原料のひとつになります。甘い食べ物や飲み物はお惣菜などよりもずっと砂糖を多く含みます。
②歯に糖が残りやすい
キャラメルやクッキー、チョコレートなどは粘度が高くねっとりしているためお口の中に入れると長く停滞してしまいます。
またアメ、ゼリー、ジュースなどは、あまり噛まずに食べられるおやつであり、噛む回数が少ないと唾液が出にくくなります。
唾液は虫歯菌が作り出す酸を中和したり、歯に残った食べかすを洗い流したりする、いわばむし歯予防の働きを持っています。ですから、唾液の分泌が少ないとむし歯になりやすいのです。
③食べたあとの歯磨きが習慣化されにくい
食事のあとに歯を磨くのは習慣化されているでしょう。しかし、おやつのあとは歯を磨かないという人は少なくありません。甘い物が多い上に歯磨きを怠ると、むし歯になりやすい状況になります。
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