タバコは歯周病を悪化させる
2020年1月20日 (月)
歯周病(歯槽膿漏)なのに歯ぐきが腫れていないっていうのは、喫煙者、とくにヘビースモーカーにはありがちなことなんです。なぜなら、ひとつはニコチンの作用で血管が収縮して血行が悪くなるからです。歯ぐきが軽い貧血状態になっているので、腫れにくいんです。
それから、免疫機能が低下するという理由もあります。歯周病菌に攻撃されると、ふつうなら炎症が起きて、歯ぐきが腫れたり血が出たりしますよね。
これは、からだが歯周病菌を「異物だ」と認識して戦おうとするから起こものです。炎症というのは、免疫機能が働いてからだを守ろうとすることで起きるわけです。
ところが、タバコを吸っていると、免疫機能が低下しているから、歯周病菌がたくさん攻めてきても、からだが「異物だ」っていう反応をちゃんとしてくれません。そして、攻められているという認識が薄いからしっかり戦ってくれずに、結果的に腫れにくいし、血も出にくいというわけです。
困ってしまいますよね。「腫れていないから大丈夫」と思いたいところですが、炎症が起きていないようでも、歯周病菌がいれば被害は確実にこうむっています。
むしろ免疫力が劣えている分、病気の進行はノンスモーカーよりも早いのです。
歯周病の怖いところは、歯ぐきが腫れるだけでなく歯の周りの骨が溶けてしまうこと。ヘビースモーカーは病気の自覚が遅れがちなうえ、悪化するスピードも早いから、その分歯周病で歯を失うリスクが大きいのです。
タバコの煙には数千もの化学物質が含まれていて、そのうちニコチンや発癌性物質などの有害物質は200とも300とも言われます。
喫煙者は、お口が臭い・ヤニがついて汚いだけではなく、歯周病にかかりやすく、ひどくなりやすいので、更に治療しても治りにくいことが解っています。
ある統計データによると、歯周病にかかる危険は1日10本以上喫煙すると5.4倍に、10年以上吸っていると4.3倍に上昇し、また重症化しやすくなります。
また禁煙することで、この危険性が下がっていくことも、研究の結果解っています。「歯周病にかかりやすさ」は4割も減ります。
さっそく歯周病の治療をはじめましょう。治療で歯周病菌を減らして、歯周病の進行を止めることです。
この際、タバコも値上がりしたことですし、思い切って禁煙にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?口の中も、からだも健康を維持するには自己管理から。タバコを止めて免疫力が回復すると、治療の効果もグッと上がりますよ。
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