再石灰化とは?
2019年3月15日 (金)
今回ご紹介するのは、唾液によって歯が修復される「再石灰化」です。実は私たちが食事をしたり、間食をするたびに、歯は必ず多少「脱灰」しています。
食事のたびに毎回必ず「脱灰」しているのに、なぜ歯は無くならないのでしょうか?
それは、唾液に溶け出した歯を修復するという、夢のような機能が唾液にあるからです。
この機能を「再石灰化」と言います。
脱灰で歯のイオンが溶けてしまっても、再石灰化で再び結晶化させ修復することで歯の健康が守られています。
唾液の中に溶け出したイオンが結晶化するといっても、分かりにくいと思うので、中学校の理科の実験を思い出して見てください。
水溶液の授業で、水溶液は「飽和状態」になると、結晶ができやすくなると習ったのを覚えていますか?ミョウバンの飽和溶液を作って、結晶を作る実験をした人もいるかもしれません。
口の中でもこれと似た現象が起きているのです。
実は中性の唾液には、カルシウムイオンとリン酸イオンが過飽和の状態で存在します。酸で脱灰し小さくなってしまった歯の結晶が、中性にバランスを戻した唾液の潜在能力によってふたたび大きくなって、スカスカになっていた歯が修復されるというわけです。
唾液とはまさに「液体のエナメル質」なんです。
だだし、こうした再石灰化の作用は、歯の外形がしっかりと残っている「初期虫歯」にだけ発揮され、穴が開いてしまった歯には残念ながら働きません。
というのも、あまりにも歯がボロボロに脱灰すると、歯の表面の隙間が大きくなりすぎ、微細な歯のイオンだけでなく、唾液のタンパクまでベタリと入り込んで、再石灰化を邪魔してしまうのです。ですから、十分な再石灰化を期待するなら、より初期の段階での予防が肝心です。定期的に歯科医院に通い、早期発見・早期対処を心がけましょう。
唾液を増やすのも大切です。お口の乾燥を気にして受診される患者様の多くは、女性です。45~55歳ころに女性ホルモンが低下します。この女性ホルモンの低下がお口の中の乾燥と連携してると言われています。
高齢になると、高血圧、脂質異常症、不眠症、頻尿など様々な病気を抱える方が増えます。それらの治療薬の副作用や、糖尿病や、甲状腺疾患などの病気そのものによって、お口の渇きが引き起こされるためお口の乾燥を訴える方が多くなります。
さらに最近では若年層にもストレスが原因のお口の乾燥がみられるようになってきました。
唾液を増やすために自分自身が出来る事は、よく噛んでお食事をとったり、唾液腺をマッサージをするのがおすすめです。
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