歯みがき剤はたっぷり使おう
2021年5月10日 (月)
『研磨剤が歯を削ってしまうから、歯磨き粉は使わないほうがいい。』
おやおや。歯みがき剤をお使いでないとは残念ですね。私は「タップリと使ってくださいね」といつも患者さんにお話しています。
「昔はカラみがきしなさいって言われましたけど」と心配する方なかにはおられますが、「昔と比べてビックリするほど歯みがき剤の品質がよくなっています。大丈夫、安心してくださいね」ってお伝えしています。
たしかに今と比べて昔の歯みがき粉はタバコのヤニ取りという感じでザラザラでした。盛大に泡が立ち、しかも辛かったでしょう?ろくにみがいていないのに、口いっぱいの泡と刺激にごまかされて、はやばやと歯みがきを終えてしまうこともあったと思うんです。その頃の最先端のサイエンスと技術力を駆使した製品だったとは思うのですが……。そんな事情から当時「カラみがき」を薦めた先生は、患者さん思いの素敵な先生だったと思いますよ。
一方、今の研磨剤は粒子が細かくて、軟らか。なかには歯の表面にっいた汚れを浮かせて剥がしやすくする製品もあります。より少ない研磨剤で汚れが取れるように研究されているんですね。その上、今の歯磨き剤には、予防に役立つ機能も加えられています。
たとえば、日本で販売されている約9割がフッ素(フッ化物)配合。むし歯予防にとても効果があります。タップリ使って歯と歯の間などすみずみまでフッ素を届けていただきたいです。
じっくり歯みがきしやすいように、発泡が控えめ、味はマイルドになっていますし、ザラザラ感も少ないものが多いので、なるべく少量の水でクチュッとゆすぐ程度にできれば、働きもののフッ素イオンがお口のなかに残ります。何度もゆすいで捨ててしまうなんて、もったいないですものね。
最後に、歯みがき剤をトコトン有効活用する裏技をひとつ。歯みがきツバをペッと出し、そのままフロスや歯間プラシをするんです。歯と歯のあいだや歯の根元に、フロスや歯間プラシが歯みがき剤をしっかり届けてくれますよ。
ペースト状の歯磨き粉
通常、私たちが呼んでいる「歯磨き粉」といえばこちら。CMなどでも毎日新商品を目にしますね。このタイプの特徴は、発泡剤が含まれているため泡立ちが良いということ、少量でも使用できるためコスパが良く、泡が口内の隅々まで行き渡るのでスッキリした感じになり、人気です。コスパ重視の人には最もおすすめのタイプです。 虫歯予防、歯周病予防、知覚過敏予防、着色(ステイン)除去などと目的に応じて様々な商品が発売されていますのでニーズに合ったものを選ぶようにしましょう。
ジェル状の歯磨き粉
このタイプは基本的には泡立ちません。泡立たないということのメリットは、汚れを見つけてブラッシングしやすいということ。泡だらけになるとそれだけで磨けていると錯覚してしまい、歯磨きを終わらせてしまいがちです。モコモコ泡に慣れてしまうといささかスッキリ感の面では満足しにくいかもしれませんが、時間をかけても丁寧に歯磨きをしたいという人におすすめです。研磨剤不使用のものが多く、刺激が少ないといった点も歯が敏感な人たちから人気です。
フォーム状の歯磨き粉
ポンプを押すとペースト状よりも軽くフワフワとした泡が最初から出て来るタイプの歯磨き粉で、使用の際のお手軽さとねっとりしていない軽い泡立ちとが人気。ワンプッシュで必要な量が出てくるので思わず出しすぎたりといった失敗が防げるのも魅力。
以上のような理由から、子供からも人気が高まっています。時短重視の人、ペースト状歯磨き粉特有のねっとり感が苦手だという人におすすめです。
目的に応じて様々な商品が発売されていますのでニーズに合ったものを選ぶようにしましょう。
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