歯みがき後のうがい
2021年4月26日 (月)
『子どもの歯を守るのは親の責任ですもの。フッ素入り歯みがき剤で磨いた後は、何度もうがいをさせています。汚れをしっかり口から出してしまわなくてはね!』
お子さんのむし歯予防にフッ素(フッ化物)入りの歯みがき剤を使って、素晴らしいと思います。
ただ残念なのが「うがい」の仕方なんです。フッ素を使ってむし歯予防の効果を上げるには、ちょっとしたコツがあります。
それは、歯みがき後にフッ素を口のなかに長く留めること。そのためうがいはできれば「最低限」にしてほしいんです。歯みがき剤をたっぷりと歯ブラシにとって歯みがきをしたら、10〜15mlくらいの水で軽くクチュッとして吐き出します。意外に少ない量でしょう?
こうすることで、フッ素が口のなかにしっかり残ります。2時間ほど飲食せずに過ごすと残ったフッ素のイオンが大活躍。歯の表面を酸に溶けにくく強化したり、歯みがきで取り残したプラークのなかに浸透してむし歯菌の活動を抑えてくれるのです。
とくに就寝前はその後飲食しませんし、寝ているあいだ唾液が減ってフッ素イオンが流されにくいのでチャンスなんです。
歯みがきをいくらていねいにしても、プラークを100%除去するなんてできませんよね?だったら残ったプラークのなかにフッ素イオンを送り込んで、予防に使っちゃおうというわけです。とってもいい方法でしょう?手間要らずで、もちろんん大人にも効果があります。
今の歯みがき剤は、薬剤の効果がバッチリ発揮されて、さすが「医薬部外品」です。単なる清涼剤とは違うんですよ。歯みがき剤を買うときには「医薬部外品と書いてあるかな?」と見てくださいね。そうそう、成分表示の 「フッ化◯◯」、「フッ素」配合の確認もお忘れなく。
ただし、さすがのフッ素も歯みがきをサボってコテコテに熟成したプラークのなかには入り込めません。歯みがきをふだんしていて、でも取り残しちゃったというようなフレッシュなプラークによく浸透します。
それから、「やっぱりうがいをよくしないとスッキリしない」というかうがいのあとにフッ素洗口をたは、ジェルやフォームでフッ素したり、を補うといいですよ。
フッ素洗口(フッ化物洗口)とは、一定濃度のフッ化ナトリウム溶液(5-10ml)を用いて、1分間ブクブクうがいを行う方法です。保育園・幼稚園・小中学校で集団として行う場合、週5回法と週1回法があります。週5回法では0.05%フッ化ナトリウム溶液(フッ化物イオン濃度225ppm)、週1回法では0.2%フッ化ナトリウム溶液(同900ppm)を用います。週5回法は主に保育・幼稚園で採用されているところもあります。
なお家庭では、市販の洗口剤(ミラノール®、オラブリス®:フッ化物イオン濃度250ppm)を用いて毎日行います。
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