フッ化物 Q&A 1
2018年7月29日 (日)
Q、フッ化物を使うとガンになるって本当?
A、一時期、こうした調査報告が発表されたことがありました。本当だったら一大事です。そこで、がん治療先進国で、国民の60%がフッ化物を調査したフロリデーション水道水を飲んでいる米国が調査に乗り出しました。世界50以上の疫学調査、米国内の123の水道水フロリデーション実施都市と211の非実施都市のガン死亡率分析、臓器別発生率分析など、大規模で徹底的な調査を行って、1991年に(フッ化物利用とがんの発生に関係は認められない)と米国公衆衛生局が発表し、決着がつきました。(ガンが増える)とした調査には、年齢要因が考慮されておらず、分析方法に偏りがあったのです。しかし徹底的な調査のきっかけになったのですから、意味があったと言えるのかもしれません。WHOも関連を否定しています。
Q、フッ化物を使うと知能が下がるってホント?
A、これも、本当ならば大問題です。確かに、フッ化物利用がIQを低下させると言う論文が中国からの研究報告として発表されたことがありました。精査された結果、(その研究結果の優位性は信頼できる情報と言えない。重要な調査の方法が示されていなかった)ということが明らかになって、権威ある医療機関である米国のNRCからその報告が公に発表されています。水道水フロリデーション率100%のシンガポールや香港でも、50から60年にわたってフロリデーションの歴史がある米国やオーストラリアでも、フッ化物利用を原因とする知能低下や精神障害の報告は皆無。今も積極的にフッ化物が利用されています。ご安心を。
Q、フッ化物洗口を厚労省が推進していないってホント?
A、そんな事はありません。何を根拠にそんなことを、、、、。厚生労働省は、平成15年度に虫歯予防のための(フッ化物洗口ガイドライン)を公表して、(より効果的なフッ化物洗口の普及を図るため、フッ化物ガイドラインを運命だ)と書かれた医政局長と健康局長の連盟に入りの文章を各都道府県知事宛に公布しています。フッ化物利用は、世界中の国々で歯科保健に多大な成果をあげていますし、現在の日本で費やされている歯科の治療費の総額(ガン治療費の総額に迫る勢い)からいっても、フッ化物利用が推進されることについては、納得できる方針だと思います。
Q、6歳以下のフッ化物洗口は禁忌とWHOが言っているって本当?
A、確かに言っています。ただし、全身応用が世界中で積極的に行われていることを前提に言っているのです。つまり、フッ化物を過剰摂取しないように、と言う配慮からの勧告です。小さなお子さんが、水道水フロリデーション+歯科医院のフッ化物歯面塗布+歯磨き剤、あるいは、タブレット+歯科医院のフッ化物歯面塗布+歯磨き剤の上にフッ化物洗口まですると過剰摂取になるからしないほうがいいですよ、ということです。ちなみに日本では全身応用がされていないので調査研究の結果、専門学会と厚生労働省が4歳以上のフッ化物先行を推奨しています。そしてWHOは日本で行われている4歳以上のフッ化物洗口を、全身応用のされていない地域のフッ化物利用の優れたモデルケースとして、写真入りで WHOのホームページで紹介してくれています。機会があったらご覧ください。
カテゴリー: 歯の豆知識