歯ブラシのかたさ
2021年4月12日 (月)
『どうも歯みがきは毛の硬い歯ブラシでゴシゴシやらないと、磨いた気がしないな。 軟毛や毛先が細くなったテーパード毛は手元がフワフワしてまどろっこしい。硬い毛で一気に終わらせるのがいちばん!』
このかたのおっしゃること、乱暴なようでいて、じつは一面正しいです。広い歯面のプラークを効率よく取るには、軟毛やテーパード毛ではたしかに不利。まどろっこしいと感じるのは、無理もありません。
ただ、硬い歯ブラシでゴシゴシすると、歯ぐきが痩せて、エナメル質より一段やわらかい象牙質が出て、これを削ってしまわないか心配です。理想的な歯ブラシ圧は150〜200g。台所用のハカリなどで試すと案外軽いタッチですよ。それに硬い歯ブラシは、歯と歯のあいだや歯と歯ぐきのさかい目の掃除がしにくいでしょう?
このへんはとくにむし歯や歯周病のリスクが高いところ。ツルツルした歯面はもともとプラークが溜まりにくく、むし歯のリスクの低い場所なのに対し、歯と歯のあいだや歯と歯ぐきとのさかい目は歯ブラシが届きにくくプラークも溜まりやすいのです。歯ブラシを選ぶなら、ここのお掃除に少しでも有利なものがおすすめなんですよ。
それでは、どんな硬さの歯ブラシがいいのか?鶴見大学の歯科衛生士さんによる実験結果をお教えしましょう。5社のさまざまなタイプの歯ブラシ26本を比較した結果、いちばん歯と歯のあいだをきれいにできたのは、フラットタイプのミディアムソフトでした。同 タイプ内で比較すると、全体的にソフトやハードよりミディアム(あるいはミディアムソフト)の毛質がプラークの除去に有利という結果でした。
ただし、歯ブラシで歯と歯のあいだがどの程度きれいになったと思います?ショックをうけないでくだ
さいね。優秀な歯ブラシでも約6割のプラーク除去率にとどまりました。頬側と舌側の両面から15秒間みがいた結果がこれです。ですから歯周病で血が出るなどの問題がないなら、できればミディアムの毛質でみがき、フロスか歯間ブラシもぜひ使ってください。
歯ブラシは歯科衛生士さんに選んでもらうのがいちばん。歯ブラシの硬さだけでなく、形や大きさなどもたくさん種類がありますからね。ついでに上手な磨き方も教えてもらいましょう。
「やわらかめ」が合う人は?
〇歯肉炎、歯周病と診断され歯茎が弱っている人!
歯茎が腫れていたり、歯磨きをするといつも出血がある人も歯ブラシのかたさが合っていないのでやわらかめがおすすめです。また歯周病改善には歯ブラシの毛先が「細め」になっているものが歯周ポケットの清掃に効果的なのでやわらかめと合わせて使用するようにしましょう。
「ふつう」が合う人は?
〇虫歯や歯周病のない人!
虫歯などもなく口内環境に問題のない人はふつうのかたさを選ぶのが最適です。バランス良く設計されているので子供からお年寄りまで使用することができます。オールマイティに使えるふつうのかたさですが、歯ブラシの毛先がすぐ開いて寿命が来てしまう人はブラッシングの圧力が強すぎる癖があるので歯と歯茎を傷めないためにも磨き方を改善することが必要です。また、やわらかめの歯ブラシの清掃能力が物足りない場合もふつうのかたさを選びましょう。
「かため」が合う人は?
〇虫歯や歯周病などがなく歯茎が強い人!
虫歯などが無く口内環境も健全で、歯磨きをしても血が出ない歯茎の強い人はかための歯ブラシも使用できます。また清掃能力も高いのですが、かための歯ブラシは汚れを落とす力も強いですがその分歯や歯肉へのダメージも大きいので力の強い人や無意識のうちにブラッシング圧が強くなってしまう人は注意が必要です。
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