歯ブラシ1本で歯周病を予防できる
2021年3月29日 (月)
「ブラシ1本で歯周病を予防できる」なんて、日本に蔓延している「歯ブラシ万能神話」には困ったものです。歯周病の原因であるプラークやバイオフィルムが、歯と歯のあいだ(隣接面)や歯と歯ぐきの境目の溝(歯肉溝にできると、歯ブラシはなかなか届かず、取るのが難しいのです。
それに衛生学では「予防の成功には3種のケアが必要」とされているひとつはセルフケア。2つ目がパブリックヘルスケア(自治体の歯科健診や公衆衛生活動)。3つ目が歯科医院で受けるプロフェッショナルケアです。
ところが日本では、多くの人がセルフケアさえ頑張れば大丈夫だと誤解している。しかも歯ブラシ1本で予防できると。これには私たちは猛省しなくちゃなりません。
予防指導がが「歯ブラシ指導に偏っていないか?」とね。北米人の歯みがき時間は日本の半分ぐらいですが、高齢になって抜かずに残っている歯は後期高齢者で、日本より多いようです。これはプロフェッショナルケアが十分にされているからです。
まずセルフケアですが、隣接面(歯と歯の間)も掃除しないと、半分近い面積にプラークが溜まったままです。日本ではフロスや歯間ブラシを使う習慣が拡がりません。日本人はきれい好きだといいますが、プラーク1mgには10億もの細菌がウヨウヨですよ。これを溜めていて平気とはね。
パブリックヘルスケアでは、歯科健診がタダでも、実際に受ける人はごく少数。歯周病は痛まずに進みます。健診を受け見逃さないことが大切です。
もっとも重要なのがプロフェッショナルケア。歯周病の原因となる歯肉溝のプラークは、歯ブラシではまず取れないので、歯科医院でていねいに取ってもらうこと、これが必須なんです。
ふだんからフロスや歯間プラシも使うこと、健診を受け、半年に一度は歯科医院で歯ぐきのなかをきれいにしてもらうこと。この3つを続ければ、歯周病の予防はきっと成功します。
本物の歯周病予防をはじめましょう!
先ほど歯間ブラシのお話がありましたが、歯と歯の間は、歯ブラシの毛先が届きにくいためプラーク(歯垢)が残りやすく、むし歯や歯周病が発生しやすい場所です。この歯間部のプラークは、歯ブラシだけでは60%程度しか取り除くことができませんが、歯ブラシと併せてデンタルフロスや歯間ブラシを使うと90%近くのプラークを取り除くことができます。
効率よくお手入れをするためにも、毎日のケアに歯と歯の間のお手入れもぜひ取り入れましょう。
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