唾液のはたらき
2019年2月9日 (土)
唾液は1日に約1〜1.5ℓも分泌されていると言われています。唾液には、お口の粘膜の保護などさまざまなはたらきがあります。そういったはたらきによりお口や歯をはじめ、私たちのからだ全体を守っています。
唾液のはたらきとしてまず挙げられるのは、歯茎や舌などの粘膜を保護して傷つかないようにしてくれる「潤滑作用」です。食べたり喋ったりするのを円滑にしているはたらきです。また、食物に含まれているデンプンを糖に変える「消化作用」もよく知られており、ご飯をよく噛むと甘くなるのはこの作用があるからです。さらに「ケガをしたら唾をつけておけば治る」と言われるのも「抗菌作用」というものがあるからです。
そして食べカスを洗い流してお口に残るのを防ぐ「洗浄作用」や、お口の中の酸性度を正常に保って歯が溶けるのを防ぐ「緩衝作用」、唾液に含まれるタンパクで細菌を集める「凝集作用」、細菌をお口の中から排出する作用など、むし歯や歯周病から歯を守るはたらきもたくさんあるのです。
また、唾液内の糖タンパクにより歯の表面に形成されるペリクルは、歯を保護してくれます。さらにペリクルはお口の粘膜を修復する成分も含んでおり、傷を治す作用ももっています。
唾液が出す仕組みは、自律神経からの指令が唾液腺に伝わり、血液を元に作られます。ですから、唾液を少なくなる原因は自律神経の問題、唾液腺の問題、血液の量の問題などさまざまです。薬の副作用でお口の渇きがみられる場合がありますが、自己判断で服用を中止するのは危険です。必ず医科の主治医に相談してください。
唾液の量が減ると、お口の乾燥感やネバつき、話づらさ、食べ物の噛みづらさを感じます。とはいえ、自分のお口の中が乾燥状態にあるかどうか、いまいちわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
口の中がカラカラする、話しづらい、唇が渇く、口内炎ができやすい、舌に溝がある、舌が乾燥している、目も乾く、唇や口角が切れやすい、舌がヒリヒリする口の中がネバネバする、水がないと食べ物が食べられないなどが口腔乾燥のサインです。
これらを日常的に感じるようでしたら、一度専門医を受診することをお勧めします。
唾液の量が減ると、お口の中の洗浄作用が少なくなり、いつまでも食べ物がお口の中に溜まってしまいます。また、飲食物によって下がったPH値がなかなか元に戻らなくなり、歯の表面のカルシウムが溶けだす「エナメル質に脱灰」が進んでしまいます。さらに、歯を保護するペリクルも形成されにくくなることでお口の中が菌に弱い環境になってしまいます。そのため、虫歯や歯周病のリスクが高くなるのです。
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