市販歯ブラシ、歯磨剤 選び方ガイド
2019年1月12日 (土)
- 歯ブラシは歯の周りの汚れを取るための道具ですが、子供の歯ブラシの選択では「歯みがきの自立のため」ということも考慮しなければなりません。幼いお子さんの場合、歯みがきの技術不足は保護者の方との連携で補うことが可能ですから、成長したときに自立して磨ける力を身につけられるよう、支援することも重要です。そのためには、お子さんの成長、発達段階ごとに応じた歯みがきの目標に合わせ、歯ブラシ選択をしていくことが大事です。
★0〜1歳
◎目標
歯ブラシの感覚に慣れる
◎選択ポイント
口触りがいいもの(シリコン製、ゴム製の歯ブラシ)、安全なもの(ストッパー付き、柄の短いもの)
◎歯みがきのポイント
●歯みがきや仕上げ磨きをスムーズに受け入れてもらうには、口の周りや口腔内を触られることに慣れておくことが必要です。それがこの時期の目標になります。頬粘膜や歯肉を歯ブラシなどでできるだけ触ります。そのため本人用の歯ブラシは、シリコンやゴム製の歯ブラシなど口触りのよいもの、子ども自身が持ちやすい柄のものを選びます。おもちゃ代わりに与え、遊びの中で歯ブラシの感触に慣れていくとよいでしょう。歯が生える前から歯みがきを開始し、歯が萌出してきたら徐々に普通の歯ブラシへ移行するようにします。
●子どもが歯ブラシを待つ場合は、目の届くところで、柄を短く持たせるなど注意が必要です。
★1〜2歳
◎目標
歯みがきの習慣づくり
◎選択ポイント
歯肉を傷つけにくい大きさ・柔らかさのもの・子どもが興味あるもの・楽しめるもの(子どもの好きなキャラクターや色使い、イラストのもの)
◎歯みがきのポイント
●自我が芽生えてなんでも自分でやりたい時期です。歯ブラシに対する意欲も向上させやすいため、習慣づくりのスタートに最適な時期と考えられます。言い換えれば、歯みがきに対する気持ちを育てる重要な時期です。歯みがきの時に褒めるなど関わりかたを工夫していきます。歯ブラシの選択では、子どもの歯磨きに対する意欲を育てていくため、歯肉が傷つかない大きさ、軟らかさのものをベースに、子どもの好きなキャラクターやイラスト、色などから選びます。
●歯ブラシを口に入れたまま歩いて転倒する事故が多い年齢なので、注意が必要です。
★3歳〜
◎目標
歯ブラシの習慣確立〜歯ブラシを使い慣れる(フロスを併用した仕上げ磨きが必要)
◎選択ポイント
歯肉を傷つけにくい大きさ・柔らかさのもの、子どもが興味のあるもの・柄が太く握りやすい形状のもの、子ども自身で歯に当てやすい大きさのもの(小さすぎず平坦なもの)
◎歯みがきのポイント
●手指の機能も発達していき、さまざまなことが理解できる年齢となると、歯磨き習慣を確立する時期、さらには歯ブラシを使い慣れる時期に突入します。習慣の確立には、1 ~2歳時と同様にモチベーションが高まる歯ブラシを選び、歯磨き時の声かけなどのかかわり方で工夫していきます。
●歯ブラシを使い慣れるためには、子どもが持ちやすい歯ブラシ、つまり、柄が太い形状のものを選びます。ヘッドの大きさも、子どもが使っても毛が歯にあたりやすく、歯磨きの感覚を得やすいような大きさのものがよいでしょう。
★5歳〜
◎目標
歯みがき自立開始(仕上げ磨きの頻度や部位は、自立状態に合わせて減少させていく)
◎選択のポイント
◎歯みがきのポイント
●歯磨きの習慣が確立し、歯ブラシ自体も使い慣れてくれば、「きれいに磨く」という目標にステップアップし、歯磨きの自立開始時期となります。そのためには、歯磨きスキル習得の目標設定と、それに合った歯ブラシ選びが必要になってきます。
●子どもの場合、手指機能、口腔内状態(歯の萌出、歯列、歯肉状態など)、理解力などは、同じ年齢であっても個人差が大きく、一概に年齢に応じた目標設定はできません。診療室における定期健診などで細やかな指導が行える場合は、個々に合った歯磨きスキル習得のための目標設定と、歯ブラシの選択をしていきます。
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