骨粗鬆症や糖尿病の人は歯周病になりやすい
2019年3月11日 (月)
骨粗鬆症の人が歯周病になりやすい理由
骨粗鬆症とは、骨の強度が低くなり、軽い衝撃でも骨折を起こしやすくなる病気です。
主な原因は加齢によるもので、女性ホルモンの影響を受けるため高齢の女性に多い疾患です。
致命的な疾患ではありませんが、骨粗鬆症が要因で結果的に要介護状態になる人も少なくないために注意が必要となります。
骨粗鬆症の人は、骨密度が低いので、同年代の人や歯周病の要因を持つ人と比べて歯周病になりやすいといわれています。
歯周病になると歯周病菌が歯茎に炎症を起こし、歯を支えている骨である歯槽骨を溶かしてしまいます。
これを「歯槽骨の吸収」といいます。
体内の骨と歯槽骨の関係を調べた研究の大部分では、体内の骨密度と歯槽骨の吸収の度合いには関係があるという結果が出ています。
骨粗鬆症の人たちと正常な骨密度の人たちを3年間観察したところ、骨粗鬆症の人たちの方が歯槽骨の吸収が多かったとのことです。
お口の中に歯周病菌がいるかどうかは、歯周病が進むかどうかの重要な要因ですが、その要因や年齢が同じくらいの人で比較すると、骨密度の低い人の方が歯槽骨の吸収が進みやすいといえます。
糖尿病の人が歯周病になりやすい理由
糖尿病とはインスリンの作用が低下して、血液中のブドウ糖が多くなり血糖値が高くなった状態が続く病気で、1型と2型に分類されます。
糖尿病にかかると唾液の量が減ったり、血液の循環が悪くなったり、免疫力が低下したりします。
治療をせずに放っておくと、様々な臓器に合併症が起こる危険が高くなる恐ろしい病気です。
糖尿病の人は歯周病にかかりやすいことがわかっています。
糖尿病の人が重度の歯周病の場合、糖尿病の検査値がなかなか下がらない傾向にあることも解明されています。
しかし、歯周病を治療して糖尿病の検査結果が良くなるということに関しては、現時点でまだ結論が出ていません。
糖尿病によって免疫力が低下して弱っている体は、歯周病菌に対しての抵抗力も弱くなっています。
なので歯周病にかかりやすく、治りにくく、重症になりやすくなります。
しかも治療が終了した後も再発しやすいために油断できません…。
糖尿病が引き起こす炎症に1つに歯周もあります。
血糖値の高い状態が長期間続くと、体内のタンパク質と糖が癒着します。
それを白血球が敵と間違えて攻撃してしまうので、歯周病も含め全身に炎症が起きやすくなります。
歯周病が糖尿病を引き起こすかどうかは調査中のようです。
糖尿病と歯周病の両方にかかっている人が多いのは事実です。しかし、どちらが原因でどちらが結果なのかははっきりわかりません。
世界中でも日本でも調査が行われているので、近い将来もっとはっきりしたことがわかるようになるでしょう。
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