歯肉の腫れを抑えるにはブラッシングが有効!
2019年4月8日 (月)
日々のブラッシングにより、細菌の塊であるプラーク(歯垢)の付着を防ぐことができます。
プラークの出す毒素は歯肉の腫れの原因となるので、プラークの量を減らすと腫れも治まります。
この効用は実験で判明しています。
今から50年程前にデンマークの王立歯科大学のがプラークと歯肉炎の関係についてある実験を行いました。
実験に協力したのは歯学部の学生14人で、彼らに2週間歯を磨かずに生活をして貰い、プラークの状態(プラークの量と細菌の種類)と歯肉炎の状態を調べました。
その結果が下のグラフです。
ブラッシング中断後、3日目からプラークが増え始め、1週間も経たないうちに学生達に歯肉炎の症状が出始めました。
それから2週間後にブラッシングを再開するとプラークの量が減少し、歯肉炎の症状が改善されたそうです。
このほかにも、様々な研究を通してブラッシングがプラークの減少と歯肉炎予防に最も有効であることが解明されています。
毎食後にブラッシングをする習慣を身に付けて、プラークの付着を防ぎましょう!
ブラッシングは歯肉縁下プラークにも有効です!
歯肉縁上プラークの抑制には、ブラッシングが有効だと上記しました。
しかし、歯の根元の歯周ポケットの中に存在する歯肉縁下プラークには歯ブラシの毛先はきちんと届きません。
ブラッシングは歯肉縁下プラークには効果がないのか?と思うかもしれませんが、歯肉縁上プラークが増えないようにすれば、歯肉縁下プラークも増えないようにできるのです。
1981年に、Waerhaugという研究者がサルを使った実験を行いました。
この実験によって「ブラッシングで歯肉縁上プラークをコントロールすると、歯肉縁下プラークは増えない」ということが明らかになりました。
実験は、まず複数のサルの歯肉縁上・縁下プラークをきれいに除去します。
そして、一方のグループはそのまま放置。もう一方のグループは歯肉縁上プラークを取るためにブラッシングを行います。
ブラッシングを行わなかったグループでは、ほぼ全てのサルに歯肉縁下プラークが形成されていたのに対し、ブラッシングを行ったグループでは歯肉縁下プラークの形成は見られなかったそうです。
また、Smulowという別の研究者の実験でも、歯科でのPMTCによる歯肉縁上プラークのコントロールによって、歯肉縁下プラークの細菌数が減少することが明らかにされています。
つまり、歯肉縁上プラークのコントロールがカギとなり、歯肉縁上プラークをしっかりコントロールできれば、歯肉縁下プラークの増殖も抑制できるということになります。
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