歯の酸蝕は外見も質も悪化させる
2019年4月22日 (月)
前歯が酸蝕歯になると、元々薄い歯が更に薄くなり、透き通って見えます。他にも、歯の先が欠ける、すり減る、痛みが出るなどのトラブルが起こります。
下の写真のように酸蝕が起こった前歯は、表面のエナメル質が白く濁って見えたり、歯の内側の象牙質が透けて見えたり、歯の先端が欠けてザラついたりします。
奥歯では、歯が丸みを帯びてきたり、どんどん歯がすり減ってくるため、しみやすく、噛んだ際に痛みを感じることがあります。進行すると、欠けてくることもあります。
症状としては、冷たい水がしみる(知覚過敏)、歯がへこむ、噛んだときに痛む(咬合痛)、歯が欠けるなどがあります。
更に、元々存在していた歯のすり減りや、虫歯が悪化しやすくなります。
酸蝕歯になりやすい飲食物と食べ方・飲み方
酸っぱいものだけが酸性度の高い飲食物とは限りません。
酸蝕歯になりやすい飲食物として、コーラやオレンジジュースなどのソフトドリンク、黒酢やリンゴ酢などのお酢系飲料、スポーツドリンク、栄養ドリンク、柑橘類などの果物、酢の物などが挙げられます。
これらを毎日のように飲んだり食べたりしていると、酸が歯に触れる時間が長くなり、酸蝕歯になる可能性が高くなります。
酸性度の強い飲食物を、ほぼ毎日摂取する習慣があり、時間をかけて少しずつ食べたり飲んだりする癖(デスクワーク中の栄養ドリンク、運転中の炭酸飲料、運動中のスポーツドリンクなど)がある人ほど酸が歯に触れている時間が長く、唾液による洗浄効果が期待できないために歯が溶けやすくなります。
他にも、前歯で柑橘類などの果物をかじったり、もずく酢などの酢の物をすするようにして食べる人も要注意です。
市販の飲料を選ぶ際のポイント
「味が酸っぱい=酸性」ではありません。
コーラやスポーツドリンクは酸っぱいものではありませんが、成分表示に「酸味料」と記載されており、酸性にあたります。
また、1日に必要な量の野菜をなかなか摂れないときの味方である野菜ジュースや、お子さんが大好きなフルーツジュースも残念ながら酸性度が強い傾向にあります。最近流行りのフレーバー付きミネラルウォーターも天然果汁を使用している場合が多いため、酸性度が強い傾向にあります。
酸性飲料は摂取し過ぎないようにしましょう。酸性度が弱いものでも、歯の表面が溶け始める値のpH5.5以下のものは飲み過ぎに注意が必要です。
また、長い時間ダラダラと飲み続けたり、少量をチビチビ飲んだりすることも控えましょう。
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