う蝕はプラークの中の酸により溶かされてできる
2019年6月10日 (月)
う蝕の基本的な仕組み
歯の表面についた歯垢はプラークといい、おびただしい数の細菌が集まってできています。
プラークの中の虫歯菌は、砂糖などの炭水化物を分解して酸を作ります。この酸によって歯の表面は酸性になり、カルシウムが溶け出します。これを脱灰といいます。
酸は唾液の作用によって中和され、再度カルシウムが歯の表面に戻ります。これを再石灰化といいます。
歯の表面では常に脱灰と再石灰化が繰り返されています。
頻繁に砂糖などを摂り続けると脱灰が進行して歯の表面が柔らかくなり、最終的には穴が開いて虫歯となります。
虫歯菌は常在菌といい、誰のお口の中にも存在しています。虫歯菌がいるからすぐに虫歯になるというわけではありません。
虫歯菌の餌となる砂糖や炭水化物があり、時間が経過して初めて虫歯ができます。
しかし、歯の表面がフッ化物(フッ素)で強化されていたり、唾液の酸を中和する能力が高い場合、虫歯の発症は防げます。
う蝕発症の要因
虫歯はたくさんの要因が影響して発症します。
一般的な虫歯は多因子疾患であり、生活習慣に左右される生活習慣病です。
発症には宿主、細菌、食事の3因子に加えて、時間、年齢、社会経済環境、全身疾患、知識レベルなどの因子が関与します。
「宿主」では、歯面の抵抗性と唾液による保護作用が関与します。
「細菌」では、虫歯はミュータンス菌などの特定の細菌のみで引き起こされるのではなく、プラークという細菌の集合体による複合感染として考えます。
「食事」に関しては、炭水化物、特に糖質の量だけでなく飲食回数や時間、食物の性状も影響します。
う蝕は予防できます!
う蝕の基本的な予防法は、
①虫歯の餌となる砂糖を減らす
②ブラッシングで虫歯菌を減らす
③フッ化物を使用して歯を強くする
この3つがポイントとなります。
砂糖などの虫歯菌の餌を減らすには、摂取量を減らすことも大切ですが、間食の回数を減らし、尚且つお口の中に残りにくい物を選ぶ配慮と規則正しい食生活をすることが必要です。
スポーツドリンク、缶コーヒー、果物などに含まれる糖分にも注意してください。
ブラッシングは1日2〜3回、食後と就寝前に丁寧に磨き、フッ化物入りの歯磨き剤を使うとより効果的です。
フッ化物は歯を強くするだけでなく、再石灰化を促進します。フッ化物が長くお口の中に残っている程、再石灰化は促進されます。
なので、ブラッシングの後はごく少量の水で1度だけゆすぐようにした方がフッ化物がお口の中に長く留まります。
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