むし歯は遺伝するの??
2019年11月25日 (月)
「親の歯が悪いから、歯の質が遺伝して子どももむし歯になりやすい」なんて信じているかたもいらっしゃるようですね。確かに歯の強度や歯並びなどが遺伝して、むし歯になりやすくなるケースもありますが、お子さんにむし歯が多いのは、遺伝のせいだけではありませんよ。むし歯菌が大きく関係しているのです。むし歯はむし歯菌の感染によって起こる病気なんですから。
生まれたばかりの赤ちゃんの口のなかには、むし歯菌も歯周病菌もいません。ですから、そのままいけば一生むし歯にも歯周病にもならないはずです。
とはいえ実際には、そんなことはまずありません。家族がいっしょに暮らしていれば、家族の口のなかの菌がうつります。よくあるのが、親が子どもに離乳食を食べさせるとき親が使ったスプーンを子どもに使ってむし歯菌がうつるケース。子どもが大きくなってからだって、親が使った箸やコップを子どもが使えば親の口のなかの菌がうつります。むし歯だらけのお父さん、お母さんが使ったむし歯菌がウジャウジャついたスプーンで子どもにごはんを食べさせれば、子どもの口のなかもむし歯菌でいっぱいになってしまいます
また、家族は生活習慣も似ているものです。ダラダラ食べをする、いつも甘い飲み物を飲んでいる、歯みがきをおろそかにするなど、家族みんながむし歯になりやすい生活をしていれば、口のなかの環境はますます似てくるでしょう。
そうは言っても、家族のスキンシップは日常生活のなかで欠かせないものです。そこで、むし歯や歯周病をうつさないためには、家族ぐるみで口のなかを健康な状態にしておくことです。スキンシップをなくそう、なんて神経質にならずに、むしろ日ごろのていねいなセルフケアに加えて、定期的に歯科医院でプロのケアを受けて、愛する家族のために口のなかのむし歯菌を減らしましょう。
むし歯の原因には、「歯の質」「糖質(砂糖など)」「細菌(ミュータンス菌)」の3つの要素があります。これらの3つの要素が重なると、時間の経過とともにむし歯発生につながります。砂糖を摂りすぎないようにするほか、効果的な方法で歯みがきをして、フッ素でむし歯を予防しましょう。
歯の質
エナメル質や象牙質の具合によっては、むし歯になりやすい人がいます。特に乳歯や、生えたばかりの永久歯は未成熟で歯の表面が粗く汚れがつきやすいため、むし歯になりやすいの で注意が必要です。
糖質(砂糖など)
砂糖をはじめとする糖質は、ミュータンス菌が酸を作るための材料です。おやつや甘いジュースなどをたくさん食べたり、だらだら食いをしている子どもは、口内がむし歯になりやすい環境になっています。
細菌(ミュータンス菌)
ミュータンス菌は、約1μm(0.001mm)の大きさの菌。歯垢(プラーク)を形成して歯の表面に付着して酸を産生します。そして酸によって歯のカルシウムやリンを溶かして歯をもろくするのです。
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