乳歯のむし歯を放置すると永久歯に影響する
2021年2月1日 (月)
乳歯は軟らかくむし歯が進みやすいうえ、歯の溝は深く、歯の間にも食べかすが挟まりやすいので、放っておくと悪くならないかと心配です。
というのも、乳歯のむし歯はじつは永久歯の健康に大いに影響するんです。乳歯はいっぺんに生え変わらず、順番に生え変わっていきますよね。もし、むし歯の乳歯が残っていて病原菌がウヨウヨいるお口に、エナメル質が未成熟で若い永久歯が生えてきたら……? 永久歯はすぐむし歯になってしまいますね。
それから、乳歯のむし歯は永久歯の成長をジャマすることがあります。乳歯のすぐ下では次に生える永久歯が作られていますが、乳歯の歯根までむし歯が広がると、永久歯の赤ちゃんにダメージを与えてしまうのです。歯の形が正常に育たなかったりエナメル質が十分に育たなかったりすることがあります。
また、乳歯は永久歯に生える位置を案内するガイド役も担っています。むし歯が進行し乳歯の形が崩れていると、永久歯の生える場所がズレてしまうのです。たとえば、永久歯の6歳臼歯が生えるとき、隣の乳歯が崩れていると、本来の場所より前に詰めて生えてしまいます。すると、後続の永久歯の場所が足りず、歯並びが悪くなってしまいます。ですから、はじめての歯医者さんはドキドキでしょうが、一度診てもらったほうが安心でしょうね。それもなるべく早いうちにね。そのほうがより小さな治療ですみますし、ごく小さなむし歯なら、歯科医が定期的に診て、フッ素(フッ化物)などを使って進行を止めれば、永久歯に生え変わるまで治療なしでうまく保たせられることもあるんです。
上手にお口の管理をし、小さな治療ですませれば痛くないしラクなんだということを幼い頃に知ることはとても大事なことだと思います。歯医者さん嫌いになると、大人になってもつい検診や治療が後手にまわって、歯で苦労しやすいのです。永久歯が生えてから、などと言わず、乳歯のころから予防のための受診をはじめてください。
生後18カ月から36カ月の期間は特に注意が必要です。
乳歯の奥歯が生えてくるまでのこの期間は、むし歯の原因となるミュータンス菌が親子感染しやすい「感染の窓」と呼ばれる期間で、特に注意が必要。口うつしでものを食べさせない、コップや食器類は使い分けるなどして対策を取ることが大切です。
ただしむし歯菌の場合、感染症のウイルスなどとは違って、「1回口うつしをしたからアウト」「うつったからアウト」ではありません。実際にむし歯になるかどうかは、「甘いものの摂取頻度」「適切な歯みがき」といった生活習慣が複合的に関わることで決まります。あまり神経質になりすぎることはありませんが、口内環境に気を配る生活を送りましょう。
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