口臭の原因
2020年2月17日 (月)
「『口がくさい、魚の腐った臭いがする』って娘に嫌がられるんだ」
こんな方いませんか?ひどいなぁと思いがちですが、はっきり教えてくれた娘さんに感謝しましょう。ご本人はすっかり臭いに順応してしまっていてなかなか気づきません。
口臭には大きく分けて2通りあり、ひとつは生理的な口臭、もうひとつが病的な口臭です。
生理的な口臭というのは、朝起きたときに誰でもあるような、硫黄温泉のような軽い臭い。食事をしたりお茶を飲んだりしてふつうに生活をはじめれば気にならなくなる程度です。周りの人も不快に思うほどのものではありません。お口が健康な人でも、この程度の口臭ならごくふつうにあるので、これは心配いりません。無臭の人間なんてこの世にはいないのですから。
問題は病的な口臭です。魚が腐ったような臭いがするというなら、おそらくこちらが当てはまるのではないかと思います。こういう強烈な臭いの原因の多くは、進行した歯周病なんです。メチルメルカプタンや硫化水素やジメチルサルファイドという強烈に臭う揮発性硫黄化合物のガスが発生します。
歯周病の原因である歯周病菌は嫌気性菌といって、空気を嫌う性質があります。だから歯周ポケットの奥深くや舌苔にひそんで繁殖します。上皮細胞や白血球が分解されて、この強烈な臭い物質が出るというわけです。
これを口臭用のスプレーでごまかそうとしても、強烈なガスとさわやかなミントの香りが混ざり合ってかえって複雑な臭いができあがるだけ。根本的に消臭されるわけではありません。
病的な口臭を消すには、その原因を元から断たなきゃダメです。まずは歯周病の治療をして歯周ポケットのなかをきれいに掃除しなくちゃ。お部屋の消臭だって、腐った生ゴミを放置したままスプレーなんかしても意味ないですよね。それと同じです。だから、まずは歯科医院で自分のお口がどんな状態なのかを診てもらって治療をはじめましょう。もちろん歯みがきも有効。それと舌ブラシで舌のお掃除をするのも、細菌を減らせるので有効です。
舌ブラシの正しい使い方は至ってシンプルです。取っ手の部分で舌ブラシを把持して、舌の奥から手前へとブラシを引き寄せます。
手前から奥へと移動すると、舌の表面に付着している細菌などを喉の奥へと押し込んでしまうため、必ず奥から手前へと移動させましょう。強い力をかけすぎないようやさしく行ってください。強く行うと逆に口臭が悪化することがあります。歯ブラシで舌をお掃除するのもやめましょう。
舌ブラシによるブラッシングは、毎回の歯磨きで行う必要はありません。目安としては1日1回、最も汚れがたまっている朝の歯磨きでブラッシングすることをおすすめします。
きれい好きな方は、毎回の歯磨きで舌もブラッシングしがちです
が、かえって舌を傷めてしまいますので注意しましょう。
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