お口から健康になる習慣②歯間清掃
2020年9月14日 (月)
習慣②歯間清掃
☆歯の本数が少なくなるほど死亡率が高くなる
『歯間清掃は40歳を超えたら必須です』
「レモネードスタディ」というのは日本の歯科医師たちが自分たちの体を張って、10年間をかけて調査した世界初の研究です。この研究では、歯の本数が少なくなるほど死亡率が高くなることがわかっています。歯が5本以上なくなると死亡リスクは1.3倍、10本以上で1.5倍、10本以上なくなると1.8倍にも跳ね上がります。この研究は、歯がないことがいかに恐ろしいかを証明したことになります。
また、歯を失うと骨折する人が増える、というショッキングなデータもあります。歯を20本以上失うと、大腿骨骨折はなんと5倍も増えるのです。わたしたちは転びそうになったとき、反射的に歯を噛みしめて踏ん張ります。ですが、自分の歯を失ってしまうと踏ん張れず、バランスを保つことができなくなってしまうのです。
歯を失うと「ピンピンころり」ではなく「ねんねんコロリ」になる可能性が跳躍的に高まるということです。
☆薬より強力!歯間清掃の死亡抑制効果
次に、歯みがきの回数と歯間清掃、つまりデンタルフロスや歯間ブラシを使用した場合に、死亡率がどう変化するかを解析したデータを見て見ましょう。
まず、歯みがき回数ですが、1日1回以下の歯医者さんが14%もいることが信じられません。ただこのデータでおもしろいのは、1日4回以上歯を磨いた人と1回以下の人との間に、死亡リスクに統計学的な有意差は認められなかったのです。この調査を見るかぎり、1日の歯みがき回数は、命と関係がないようです。
ところが歯間清掃、すなわち歯の間のお掃除をしている人としていない人では、命に大きな差が生まれます。歯医者さんなのに歯間清掃を「ほとんどしていない」人が33%も占めていること自体が信じられませんが、週5回以上歯間清掃している人は、していない人に比べて死亡リスクは3割近く減っています。
疫学調査で、死亡リスクが3割近く減るということは、医師もビックリするほどの衝撃的なデータです。お薬でも、ここまでの死亡抑制効果を持ったものは滅多にありません。歯間清掃が、どれほど貴く偉大な力を持っているかがわかります。
それにしても、日本の歯医者さんの3人に1人は歯の間を掃除していないという事実には驚かされます。ちょっと悲しいですが、これが日本の現状です。
歯と歯の間のお掃除の大切さを、まさに命に関わる常識として普及させる必要があることが、レモネードスタディからわかります。きちんと歯をお掃除することは、糖尿病や肺炎予防、早産や死産の予防、そして転倒骨折の予防にさえつながることに、日本人全員に気づいて欲しいです。
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