フッ素が虫歯予防になる理由①
2020年9月28日 (月)
1-1 歯の再石灰化がカギ
人間の歯は食べ物を食べたり、繁殖した虫歯菌などにさらされたりする事で、カルシウムやリンなどが溶け出してしまいます。放っておけば虫歯菌に侵されて虫歯になったり、歯周病菌によって歯周病になりうるリスクがあります。そこで効果が期待できるのがフッ素です。
歯からカルシウムやリンが溶け出す機序は、口の中に残った食物残渣を虫歯菌が食べて代謝する事で、老廃物として酸を出します。それが歯に付着するとでカルシウムやリンが溶け出すことになります。フッ素は、その溶け出したカルシウムやリンを歯に再び吸収する作用「再石灰化」を促進して、健康な歯へと導いてくれる役割を果たします。
つまり、再石灰化とは歯を守るための非常に大切なメカニズムで、この「脱灰」と「再石灰化」のバランスが崩れると、虫歯になりやすくなってしまいます。逆に、積極的にフッ素を用いて再石灰化を促進することによって歯の表面が強化され、脱灰がしにくくなることがわかっています。それだけ再石灰化のパワー絶大なのです。
1-2 あらゆる危険から歯を守る効果
フッ素は、表面を酸に溶けにくい状態に修復してくれ、虫歯菌、歯周病菌などの細菌から歯を守ってくれます。歯の表面が酸などで溶けてしまうと、虫歯菌や歯周病菌などの細菌が侵食しやすくなります。しかし、フッ素でガードの固い強い歯をつくることで、虫歯や歯周病などの菌にやられないように守ってくれるのです。
1-3 酸の生成を防いで虫歯予防に
フッ素は、歯を酸から守る様にコーティングするだけでなく、酸の働き自体が弱まるよう働きかけてくれます。そのため、歯垢などは歯磨きなどでキレイに落としきれないこともありますが、もし、磨き残しの歯垢があったとしても、生み出す虫歯の原因菌の働きを弱め、発生させる酸の量を抑えてくれます。そのため、虫歯予防の一つの砦となり、より虫歯になりにくい環境に整えてくれます。
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