歯科医院でのフッ素塗布の方法と期間
2018年9月29日 (土)
1-1虫歯予防のフッ素塗布は3か月に1度が効果的
歯科医院でのフッ素塗布は高濃度のフッ素を3か月に1度行い、低濃度のフッ素を自宅で行うのが最も効果的です。高濃度のフッ素塗布によって歯に取り込まれたフッ素は徐々に減っていきます。ご自宅でフッ素を使うことによって減るスピードを少なくして、歯に取り込まれているフッ素の量を下げないようにして、むし歯予防をしていきます。歯科医院ではクリーニングを行い、フッ素が取り込みやすい状態にしてから、フッ素塗布を行ないます。15分間は飲食を控えてもらい、十分フッ素が浸透するようにします。
1-2歯の表面が少し白くなった方はトレー法
お口の中をクリーニングしてフッ素が浸透しやすい状態にしてから、マウストレーを使ってフッ素が唾
液に流されないようにしてフッ素塗布を行います。マウストレーを5分間保持してもらいます。その後15分間は飲食を控えてもらいます。期間は3か月に一度が効果的です。
1-3歯の表面が溶け始めた方はピンポイント
小さなお子さんの場合むし歯になっても治療が難しいことがあります。高濃度のフッ素(デュラファット)を毎月、むし歯の部分にポイントで塗布することにより、3,4か月してくると柔らかくなっていた歯の表面がだんだんと固くなります。治療ができる年齢まで経過観察するか、生え変わるまでそのままにしておく場合もあります。
~自宅で出来るフッ素塗布の方法~
2-1歯磨きの量は多め、ゆすぎは少なめ
市販で売られているほとんどの歯磨き粉の中にはフッ素が含まれています。フッ素入りの歯磨き粉で歯磨きをすることはむし歯予防には効果的です。しかし、うがいを多くしてしまうとせっかくのフッ素成分がすべて流されてしまいます。出来るだけ少ない水で1、2回味が残る程度にゆすぐのが虫歯予防には効果的です。
2-2効果抜群フッ素ジェル
歯磨き後のフッ素ジェルは最も効果の高い方法です。ジェルは唾液に洗い流されず、ゆすぎも不要の為お口の中に長く残ってくれるために予防効果が上がります。
2-3面倒な方はフッ素洗口
ジェルの味やぬめりが嫌いな方はフッ素洗口剤がお勧めです。簡単でしかも無味無臭です。また歯磨き後どうしても丁寧にゆすぎたい方は、ゆすぎの後にフッ化物洗口もおすすめです。
2-4最新、自宅でできるトレー法3DS
歯科医院で行うトレー法を自宅で行う方法です。歯磨きの後、トレーにミネラル成分やフッ素ジェルを入れて30分間歯に浸透させます。その後は軽くゆすぎます。特に初期虫歯が多い人には3DSを行なうことにより歯を削らずに虫歯を改善できます。
~フッ素使用の注意点~
フッ素は自然界に存在するものなので緑茶や海藻などにも含まれているため、量を間違わなければ安全なものです。海外ではフッ素の錠剤等も売られているくらいです。歯科医院で行うフッ素塗布も、自宅で行うフッ素塗布も、使用する量の10倍塗ったとしても体には影響がありません。しかし、効果もないため適切な量・使用方法で使うことが最も合理的な方法です。
~フッ素ジェルの量~
〇放出から2歳まで
使用量は切った爪程度の量
フッ素濃度 500ppm
仕上げ磨き時に保護者が行なう
〇3~5歳まで
使用量は5㎜以下
フッ素濃度 500ppm
就寝前が効果的、歯磨き後少しの水で1~2回すすぐ
〇6~15歳
使用量は1㎝程度
フッ素濃度 950ppm
就寝前が効果的、歯磨き後少しの水で1~2回すすぐ
〇16歳以上
使用量は2㎝程度
フッ素濃度 1450ppm
就寝前が効果的、歯磨き後少しの水で1~2回すすぐ
※まとめ
歯医者は歯を削るところではなく、虫歯をつくらないための予防をするためのところです。フッ素塗布は生涯歯を守る大切な方法です。
カテゴリー: 歯の豆知識